● ホメオスタシス(2)  ●

美紅と柳とで精市の見舞いに行った翌日、学校へ行った私は、存外平静だった。
 教室で美紅と顔を合わせて『フルートの調整はすぐすんだ?』なんて話しても、私は特に取り乱すようなことなんかなかった。
 そんな自分にも少々驚く。
 柳とのキスは、胸の奥ににじんだ小さな染み。
 あの部屋の中だけで終った、夢のようなもの。
 そう思うと、まるで現実味がなくて。
 そんな風に思うこと自体、なんだか自分がやけに無責任なような気がして、いい気分ではなかった。自分が罪悪感に苛まれたり、後悔したり、傷ついたりするのがいやだから、そうやってさらりと事をやりすごそうとしてる? そんな自分が嫌だ。

! 何をやっているか! もう授業が始まるぞ!」

 社会科の授業の前、なんだかかったるくて資料室から窓の外を見ていると、ちょうど日直の真田が教材を両手にかかえて私を睨みつけた。
 なんだ、運が悪い。
 よりにもよってクラス委員の真田に見つかっちゃうなんて。
 けど、真田のド直球な怒鳴り声とそのいかめしい顔つきは、意外にここちよかった。
 この、何事にものらりくらりでダメな私に、揺るぎようのない正しい男の怒鳴り声。

「ねえ、真田。この、ダメな私をもっと叱って、罵って……」

 窓際から振り返って言う私に、真田の眉間のしわがぐっと深くなる。爪楊枝3本くらいは余裕で挟めるだろう。いや、割り箸だっていけるかもしれない。
ッ! お前は、またわけのわからんことを言ってごまかそうとしているな! とにかく早く教室へ行かんか! 遅れたらゆるさんぞ!」
 火に油を注いだがごとくヒートアップした真田の怒号は、いい感じに資料室に響いて、私はくっくっと笑ってしまう。
 いいかもしれないな、ドMキャラでいくのも。
 真田の怒鳴り声をここちよいBGMにしながら、私は資料室を出て自分の教室に向かった。

 さて、学校に来ていて普通に過ごす限りは、私と柳はさして顔を合わせる機会はない。だって、私のクラスはA組で、柳はF組だ。
 美紅と顔を合わせて平静を保てた私だけれど、柳と会ったらどんな気持ちになるのか、さすがに予想がつかず不安であることは否めない。
 このまましばらく顔を合わすこともなく、あの出来事が薄れた染みのようになるといいなんて思っていたその日。

「やあ、。美紅はいるか」

 まったく何事もなかったように柳がA組を尋ねてきた。
 たまたま廊下に出ようとしてた私と、ばっちりかちあってしまったわけで。
「あ、美紅は今職員室に行ってると思う」
 とっさに答える私の声は、それほどは動揺してなかった。
「そうか、だったらこれを返しておいてもらえるか」
 彼が差し出したのは小さな四角いシルバーの箱。
「電子辞書だ。たまには使ってみろと言われて借りてみたんだが」
 そう言いながら苦笑いをした。
「俺には普通の辞書の方が合うようだ」
「そ、わかった。返しとくね」
 用事はそれだけ。
 なのに、私たちの間には一瞬空白がはさまって、お互い何も言わないまま数秒。
「じゃあね」
 私の方がやっとそれだけを言って柳に背を向けた。そもそも何か用事があって廊下に向かったはずなのに、それはさっぱり思い出せない。
 美紅の電子辞書を手に自分の席に戻り、柳が廊下から姿を消す気配を確認した。
 腰を下ろして数秒して、私の中の何かが沸騰する。
 薄くなりかけていたと思っていた染みが蘇る。
 麝香の匂い、柳のあの手、指。
 そして、おそろしく普段どおりの今日の柳。
 ああ、ここに真田がいればな。『バッカモーン! 学校でふしだらなことを考えるんじゃない!』と、あのKYな感じで怒鳴って欲しい。こういう時に限って怒らないんだから、真田、役立たずめ。
 心の中でそんな風に罪もないクラスメイトに八つ当たりをしていたら、ちょうど美紅が戻ってきた。
 私ははっとして手元の電子辞書に意識を戻す。
 そのひんやりした筐体に私の手の熱がうつってしまっていないかと、あわてて手を放した。
「美紅、これ、柳が返しといてって。アナログ野郎にデジタルは合わなかったらしいよ」
 私がそういって、机の電子辞書をさすと、美紅はくくっと笑ってそれを手にした。
「やっぱり? 蓮二、だめだねー」
 それを自分の机にしまいながら、ああ、と思い出すように言った。
「ねえ、今日、幸村くんの家に行きたいんだ。部活の後でいいから、一緒に行ってくれない?」
「え? 精市の家?」
 美紅と精市は、それなりに話しはするけど、家に行くというイメージがなかったのでちょっと意外で、聞き返してしまった。
「うん、昨日病院に行ったとき、うちのお母さんがバジルの苗を欲しがってるって話したら、幸村くんが自分ちに沢山生えてるから持って行きなよって言ってくれたの。家には言っておくって。でも、私一人じゃ行きにくいからさ、も一緒に来てくれない? 蓮二にも頼んだけど、せっかくだからも一緒がいいなって思って」
 蓮二、という言葉を聞き逃さなかった。
 そうか、確かに美紅が柳をも伴いたいのは自然ではある。
 私はしばし躊躇してしまう。
、都合悪い?」
 どれだけ考えても、自然に断る口実はみつからなかった。
「いいよ、部活が終ったら門のところね?」
 
 さて、私の部活は歴史研究会というまったりとしたものである。週末には史跡の調査なんかに行ってフィールドワークをすることもあるけれど、平日はだいたい文献を読んだり、フィールドワークの結果をまとめたりだとか、そういうマイペースなものだ。
 この日はのんびりと資料をながめながら時間を過ごし、部活の終了時刻になったら、校門のところに行った。
 美紅は部活動には所属していないけれど、多分音楽室でフルートかピアノの練習をしていたのだろう。
 この日は私よりも先に柳と美紅が来ていて、二人校門のところで話をしながらたたずんでいた。
「お待たせ」
「じゃ、行こうか」
 私たちは三人で歩く。
 昨日と同じだ。
 ただ、昨日と違うことがある。
 昨日も、この二人とともに歩く私は妙に揺れていたけれど、今日は昨日と違う揺れ方をしている。
 柳はどうなのだろう。
 ちらりと見ても、彼の端正な横顔からはさっぱり何も読み取れない。
 完成された世界を持つ彼は、やはり揺れたりしないのだろうな。
 ふとそんなことを思った。

「あらー、ちゃんに柳くんいらっしゃい! ああこの子が柳くんの彼女の尾崎さん? はじめまして!」

 精市の家に行くと、精市のお母さんが親切に出迎えてくれた。
 私は子供の頃からよく遊びに行ってたし、柳はテニス部で精市と一緒になってからちょくちょく顔を出していたから十分顔見知りなのだ。
「精市から聞いてますよ。バジルの苗よね、沢山あるからいくらでも持って行ってちょうだい。その前に一服どうぞ」
 そう言いながら案内してくれた庭には、ウッドテーブルが置いてあってそこには氷の入ったハーブティーとスコーンが用意されていた。
「お気遣いいただき、ありがとうございます」
 柳がなんとも教科書通りの礼を言う。私は、さすがだなーと思いながら彼を横目に、『ありがとー、おばさん』なんて言いながらスコーンにかぶりついた。

「バジルだけでいいの? 家は精市がいろいろ植えて、増えすぎたものもあるからね、欲しいのあったらなんでも持って行ってちょうだい」
 精市のお母さんの気前のいい発言に、美紅はテンションが上がったようで、あわてて携帯で自宅に電話をかけていた。どうやら、何があるの、これはあるの、じゃあそれをもらってきて、などと母親からいろいろ指示を受けていたようだ。
 美紅と精市のお母さんが、あれやこれや植物の苗を移植ゴテを使ってポットに移しているのを見ながら、私と柳はハーブティーを堪能していた。
「美紅がこんなに植物に興味があったなんて知らなかったなー」
「あいつは自分の知らないことにいろいろと興味を持つ方だから、物珍しいんだろう」
 柳は笑いながら、庭にしゃがみこむ二人を眺めていた。
 なるほどね、私も美紅のそういうところがパワフルで好きだし、きっと柳もそうなんだろうな。
 私は、美紅をみつめる柳の横顔をなんとはなしに、眺め続けた。

「いや、どうしよう、結構な量になっちゃった」

 美紅がもらってかえることにした苗を詰めた箱は、ざっとダンボール3箱分である。
「送って行って上げたいけど、おばさん、車の免許、ペーパーなのよね」
 我に返って、申し訳なさそうに精市のお母さんが言う。
「あっ、とんでもないです、いいですいいです」
 美紅はあわてて携帯を取り出した。
 自宅の母親と何かを話して、すぐに電話を切った。
「大丈夫です、うちの母親が車で来てくれることになったから。こんなにもらっちゃって、すいません!」
「あら、それはよかった! じゃあ、もうちょっと持って行きなさい」
 そんなやりとりで、美紅のダンボールはもう一箱増えることになった。
 20分弱ほどでやってきた美紅のお母さんは、あわてて精市のお母さんにお礼を言って、そこはそれ、大人のやりとりらしく手みやげなどを渡していた。お互いに恐縮しあう儀式をしばし続けて、そしてようやく美紅の家の車に苗のダンボールを積み込む。
「今日は本当にどうもありがとうございました」
 美紅は精市のお母さんに深々と頭を下げる。
も柳くんもつきあってくれてありがとうね」
 そして、私たちにも笑顔を向けた。
 美紅のお母さんは車に乗り込む前に、もう一度振り返った。
「ああ、柳くん、テニス部のことでいろいろ忙しいでしょうけど、美紅がイギリスに行く前に、よかったら皆で食事でもしましょうね」
 柳は『おそれいります』などと言いながらぺこりと頭を下げる。

 予想以上に騒がしかった幸村家での用事をすませ、私たちはその緑にあふれる庭を後にした。
 先ほどまでの賑々しさがうそのように、私と柳の間は静かだ。
「ま、とりあえず美紅のお母さんは満足しそうで、よかったよね」
「そうだな」
 柳は少し笑って、私もつられて笑った。
 だって、私と柳、いちおう顔つなぎで行ったわけだけど結果的にはまったくいてもいなくてもかわらなかったような。
「じゃあね、お疲れさん」
 私が自分の家の前で柳に手を振ると、彼は立ち止まったまま私を見る。
 私の胸の奥が、ザワリとうごめいた。

「昨日は鎌倉文庫を十分に見ることができなかった。寄らせてもらって構わないか」

 私の中に、真田の精神が宿っていたらいいのに、と思う。
 そうすれば、『バッカモーン! 昨日の今日で、何をするかわからん男を部屋に上げるわけなかろう! しかも友達の彼氏なのだぞ!』と一喝して終了だ。
 だけど残念ながら私は真田じゃないし、ここに真田もいない。
 私は、無難に『うーん、また今度ね』と言えない。
 だって、私がそう言ったら、私が昨日のことを強く意識していて、彼とのことを恐れているのだと認めることになる。昨日のことが、薄れ行く染みではないのだと、認めることになる。
「うん、別にいいよ。見て行ったら」
 結局私はそんなことを言って、門を開けた。
 あとはいつもの流れ。
 廊下を抜けて、部屋に鞄を置いて、書庫の明かりと空調を入れる。
 私は書庫には入らなかった。本の場所はもう教えてある。
 自分の部屋に行き、窓を開けて風を入れた。
 私はエアコンの風があまり好きではなくて、外からの風や扇風機の風の方が好きなのだ。
 部屋の扉を開け放ち、冷蔵庫から持ってきた麦茶をコップに入れてごくりと飲んだ。
 祖父が使っていた書斎は、古いながらも祖父の好みで洋風に改築してあり、祖父が置いて行った家具もこれまたなかなか趣味のいいアンティークで、私も気に入っている。
 柳はよく、書庫で本を選んで、そして私の部屋の真ん中に置いてあるマホガニーのテーブルでその本を読んだり必要な箇所を写し取ったりして行くのだ。
 そして私は、自分のデスクで宿題をやって、わからないところは振り返って柳に尋ねたり、そういう淡々とした時間を過ごしていた。
 この日も私は自分の机に向かって教科書を広げ、課題に取り組み始めた。
 柳がマホガニーのテーブルに本を置く気配。
 私は振り返らない。
 振り返らないけど、自分の手元にはまったく集中できない。
 柳は、いつものように資料に集中しているのだろうか。ここに私がいることを、いつものようにまったく意に介さずこの時間をすごしているだろうか。
 自分の背中に全神経を集中して、そんなことを考える。
 そうだ。
 今日、この時間をこうしてやりすごせば、昨日の出来事は完璧に遠い日の染みになる。もうそれ以上にじんでいくことはない。
 今日はそのためのテストで、そのための儀式なんだ。
 柳は、それをわかっているんだ。
 私たちの間には本来は何も起こりえない。
 だって、柳は美紅の恋人で、私は美紅の友達だ。そして、私は精市とある種の関係があると、柳も美紅も認識している。そういった背景の私たちには何も起こりえない。だから、私と柳はこういった距離感のつきあいを続けてきた。

、課題がまったく進んでいないぞ」
 
 彼の声に私はまさに飛び上がりそうになる。
 思わず振り返った。
「さっきから、手元がまったく動いていない」
 そう言いながら、彼はじっと私を見た。
 私の心臓はドクンと動きかける。
 柳、それを言う?
 それは、今は見過ごしておくべきじゃないの? ねえ?
 私は何も返事をせずに、無言で彼の発言を責めるまなざしを返した。
 すると彼は立ち上がる。
「お前は、揺れている」
 私が座っている机の近くまでやってきて、私を見下ろした。
 私は彼を見上げながら、大きくため息をつく。
「……そうだね、私は揺れてるね。いつもそう。揺れたりしない柳や美紅にはわからないと思うけど。でも、揺れたりするのは私の勝手だから、放っておいて。私が精市のことで気持ちが揺れたりしても、人間だから、そういうことだってあるよ」
「お前は、揺れている」
 柳はまた同じ言葉を繰り返した。
「……揺れるお前は……危険だ」
 麝香の香りが強くなった。
 風の向きのせいだけじゃない。
 見上げる形になってる私の顔に、彼の顔が近づいた。
 何が起こるのかはわかっている。
 私はそれを避けようとはしなかった。
 麝香の香りと、そしてミントの香り。
 今日、精市の家でいただいたハーブティーにしっかりきいていたミント。
 今日の私たちのキスの間では、ミントがかなり存在感を主張する。
 キスをしながら私の背中を支えて抱え上げた柳は、そのまま私をベッドに横たわらせる。
 意外には思わない。
 今日、今、キスをした時点でそれは予想していたから。
 けれど胸は痛い。
 柳、これ以上離れると、お母さんの目の届かないところに行ってしまう。
 振り返っても、そこにお母さんはいない。
 多分、もう戻れない。
 そう考えれば考えるほど、柳のキスは私に快楽を与える。
 彼のあのしなやかな指が、私の足に触れた。
 素肌に触れる彼の手は、おどろくほどに肌なじみがいい。
 この手で、体中に触れられたいと思った。
 もう、だめだな。
 ここには、間違ったことがあれば叱ってくれるクラス委員はいないし、私は揺れてばかりのダメな人間だ。人間、か。ああ、これはきっと鎌倉文士の呪いだね。そんなわけのわからない事を考えているうちに、いつしか私の服は脱がされつつあった。
 時折入り込む外からの風が、素肌に心地いい。
 そんな風の感触を楽しめたは束の間で、私の体はすぐに柳の体に覆われた。きれいな肌、引き締まった筋肉。思わず抱きしめる。
 してはいけない人との、してはいけない行為だということだけははっきりわかっているのに、彼との行為はとてもスムーズで流れるように夢中で進んだ。
 生理食塩水の海に、静かに沈んで行くような感じ。
 自分の体自体が、ゆるやかに海に溶け出していくような感じ。
 頭はあまり働かない。
 ただ、柳との交わりがひどく気持ちいいということだけは確かだった。

「シャワー、使っていったら?」

 気がつくと、行為を終えた私たちは汗だくだった。
「……そうさせてもらう」
 前髪を額にはりつかせた柳は、さすがにそう答えた。
 私は裸のまま自分の箪笥からバスタオルを一枚取り出し柳に放った。
 彼はそれを受け取ると、腰に巻いて、廊下へ出た。
 何しろ、夜まで家族は帰って来ないから、廊下を腰にタオルを巻いただけの男の子が歩いていたって平気ってわけだ。この、大学教員の一人娘の家は。
 ベッドに腰掛けて、ああ、シーツも取り替えないといけないな、なんて思いながらはぎ取ったシーツにくるまってぼーっとしていると、出て行った時と同じく腰にタオルを巻いた柳が戻ってきた。
「さっぱりさせてもらった。すまないが、汗が引くまで涼ませてもらう」
 そう言って、タオル一枚のまましばし扇風機の前に立つ。
 柳でもオトーサンみたいなことするんだな、とちょっとおかしくなった。

 私がシャワーをあびて着替えて帰ってきた頃には、柳もきちんと制服をきてテーブルの前の椅子に座っていた。
 すこしぬるくなった麦茶をコップにそそいで出すと、柳はおいしそうにそれを飲む。
 困ったもんだね。
 何を話していいものやら。
 君のセックスは非常に気持ちがよかったよ、すばらしい、ブラボー! というのもおかしな話だし、コメントに困る。
 何か気の利いた台詞はないか考えていると、柳が立ち上がった。
「本を、戻さなければならないな。すまない、今日もあまり読み進めることができなかった」
 そう言って、取り出してきた本を書庫に戻した。
「それでは、これで失礼する」
 帰る時の挨拶はまったくいつも通り。
 私も、うん、じゃあね、といつも通りの返答をするしかない。
 彼を送り出して、バスタオルとシーツを洗濯機のドラムに放り込んでしばし考えた。
 当然、どうしてこういうことしちゃったんだろう、なんていう形ばかりの後悔。
 そして、どうして柳は私を? なんて、ありがちな疑問。
 だけど、私はこれまでの十数年の長くはない人生で、少し分かったのだ。
 この世には、なにか意味のある出来事・存在というのは、もちろんある。
 だけど、別段、何の意味もない出来事や存在というのも沢山あるのだ。
 だから、私は物事に意味を求めない。
 柳が私にキスをして、そして抱いた事に、おそらく意味はない。
 精市と私が寝たことに、結局何も意味がなかったのと同じように。
 あるのは、ただ、その起こった事実。
 柳のキスやセックスが、とても気持ちよくて私を絶頂に導いたという、その事実。
 柳が、行為に際して何も言わなかった、その事実。
 柳が私や私との行為にどういった意味を感じているのかなど、考えるだけ無駄なのだ。
 だって、私の存在に、意味はないから。
 私は、確かにここに存在する、ただそれだけ。

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2009.7.20

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