● Chill Out! --- 1. ここは俺が食い止める ●

 授業が終って、自分の席から窓の外を眺めながら大きく深呼吸。
 流れ込む空気はやわらかくて、春の気配。気温が違う、というだけじゃなく、この季節の空気はどこかしらふわりとまろやかだ。花粉症ではない俺は、それを思い切り肺に吸い込む。

 長閑

 俺は「のどか」とつぶやきながら、そんな文字を頭に思い浮かべてみた。
 日本語は嫌いじゃない。
 学校で日本の仲間と過ごす時は、テニスの試合をしている時以外、俺の頭の中の考えはすべて日本語で構成されている。そうすると不思議なもので、どっぷりと日本人的になれる。『空気を読む』みたいなことも、日本に来て日常的に日本語で思考をするようになってから身に付いた。っていうか、多分うちのテニス部では俺が一番日本人的に空気読めるんじゃないかって思うくらいだぜ。
 3月になったこの時期、進学も決まってあとは春休みを待つばかり。
 外は暖かくなっていい天気。
 長閑。
 日本語はいい言葉があるもんだな。
 授業が終った教室は、脱兎のごとく飛び出して行く者、しばし残って友人同士雑談に興じる者、さまざまだったが時間が経るごとに当然ながら人気は少なくなって来た。
 高等部に進学して、新たなテニス部でのトレーニングが始まるまでの束の間の休息が、いまこの時間。
 ぼんやりと頭をからっぽにして、空気の温度や流れに身を委ねるような、めったにないこんな長閑な時間。
 それらを十分に堪能して、俺はようやく自分の席を立とうとした。
 ふと、隣の席に目がとまる。

「……あれ、、まだいたのか」

 机に向かっているのは隣の席のだ。

「あ、うん、日直だったから日誌をね」

 彼女は顔を上げてそれだけ言うと、また日誌の仕上げに取りかかった。

「もう一人の男子のやつは? 今日は後藤だっけ?」
「なんか、帰っちゃった」
 
 今度は顔を上げず、日誌に書き込みをしながら言う。
 俺はなんとはなしに、浮かしかけた腰をもう一度椅子に下ろす。
 軽くため息。
「ちゃんとつかまえときゃーいいのに」
「だって、『日誌、頼むわー』って一言残してさっさと行っちゃうから、何て言ったらいいかわかんなくて」
 そう、こいつ、こういう奴。
 1年の時からたまたま同じクラスなんだけど、こういう要領の悪い奴なんだよなあ。
 肩にかかる髪を時々かきあげながら、うつむく彼女の目元のまつ毛は長くて。
 見た目はかなりイケてんのに、はっきり言ってサエない奴なのだ。気の毒なくらい。
、お前、相変わらずだなあ」
 心で思ったことを、俺はそのまま言葉に出した。
「相変わらずって?」
 はまた顔を上げた。大きな目でじっと俺を見る。髪を耳にかけるその指は細くて白い。
「いや、せっかく結構カワイイ顔してんのに、どういうわけかぜんぜんモテねえよなあ。日直のペアに逃げられるなんざ」
 俺が無遠慮に言うと、彼女は怒るわけでもなく大きくため息をついた。
「モテないよ。もうね、わかってる」


 彼女に俺がこうずけずけと物を言う背景には、ちょっと昔のエピソードがある。
 あれは2年に上がったばかりのころだろうか。
 俺は偶然、彼女が振られる現場を目撃してしまったことがあるのだ。

『ごめん。ちょっといいなって思ったけど、俺、やっぱりとつきあうの合わないみたいだわ』
 
 放課後、校舎裏で申し訳なさそうな男にそんな風に言い渡されていた。部活に行く途中、そんな現場にばったり居合わせてしまった俺は、その場でなんとも気まずかった。言いたい事言った男がそそくさと去ったあと、俺は場を辞するタイミングを逃してしまい、それまでたいしてしゃべったことのない彼女と行きがかり上ちょっと話をしたのだが、彼女が振られたいきさつというのを聞くはめになった。
 単純だ。
 つきあって欲しいと告白してきた男と彼女はつき合う事にしたのだが、まずは一緒に下校するということを3日ほどやってみて、それで先ほどのようにと言い出されたのだと。あっさりと。
『なんか、緊張しちゃって、一度も一言もしゃべれなかったからね、それでかなあ』
 と、彼女はがっくりしたように言ってたっけ。
 そりゃ、こういうキレイな顔で隣でだまりこくったまま歩かれたら、引くよなあ。
 と思ったことは、さすがにその場では言えなかったけど。
 そして、俺も『はあ』とか『へえ』とか、無難なことを言ってその場を去った。
 そんな事があってから、俺とはクラスでも時々口をきくようになったんだった。


「お前さ、もうちょっと最低限のボケとツッコミができるようになったら、モテるんじゃねーかと思うぜ」
 俺はしみじみと彼女に向かって言う。
 彼女はようやく書き終えたらしい日誌を閉じて、またため息をついた。
「そんな、芸人みたいなの無理だよ」
「芸人みたいじゃなくていいんだよ、ふつーの会話でもうちょっとさ、ノリがいい感じにできねーの? 別に性格は暗くねーんだから」
「その、ノリってのがわからないんだよね」
 ちょっと悲しそうにうつむいた。
「ジャッカルはいいね。ハーフだけど、すごく日本人ぽく空気読めるし、そこそこノリはいいし」
 があまりにがっくりして言うものだから、俺は必死にフォローする言葉をさがす。ああ、こういうの、めんどくせー! だからこいつ、ダメなんだ!
「いや、でもさ、空気読めてノリが良くても、俺、モテねーしさ」
 ついそんな自虐ネタを持ち出してしまう。な、俺、日本人的だろ?
「……だよね。ジャッカル、結構かっこよくて成績もそこそこでテニス部レギュラーだったのに、モテないよね。ノリもよくて、ボケもツッコミもできるのに……。難しいよね、モテ道って」
 は眉間にしわをよせて、真剣な顔でつぶやくのだ。
 ほら、こいつのこういうリアクション。てんでイケてないだろ?
「だからさお前、俺のこういう自虐ネタに、せめてウケるとか、フォローするとか、ツッコむとか、何かねーの?」
「えっ!」
 俺が言うとは素でびっくりした顔をする。
「ご、ごめん。いや、ほんとにそうだなあって思って共感しちゃって。ごめんね、気を悪くしないで」
「いや、いいけどさ。あ、じゃあ、俺、もう帰るわ」
「うん、また明日ね」
 やれやれ、は嫌いじゃないんだが、話すとどうもしんみりしてしまう。
 
 は綺麗な子で性格も悪くないのに、まったくモテない。
 客観的に見て、理由は明白だ。
 とにかく、話しててノリが悪い。前出のように、会話の中でちょっとしたボケもツッコミもできなくて、まったく笑いが取れない、笑いどころがわかってない。超内気ってわけでもないので、たまに頑張ってみてスベるからよけいタチが悪い。
 かといって気が強いって風でもないからつきぬけてもいなくて、こう、キャラが立ってないんだよなあ。
 確か部活も、茶道部の幽霊部員という、どうしようもない感じだったと思う。
 女友達も同じような、ちょっとサエないタイプばかりだ。しかも同じクラスだったやつばかりで、保守的なメンツが集まってるとみえる。
 それでも1年や2年の時は、『ってカワイイよな』なんて言って告白する男がいたみたいだけど、ちょっと話してみるとすぐに『あいつ、ノリ悪くてつまんね』みたいになったんだろう。
 そんなわけで、3年になったは、年々見た目はすごく女の子らしくキレイになってきてるんだけど、相変わらずさっぱりモテないままなのだ。
 だからといって俺にしてやれることはないし、けど、なんかああいう風に『まったくダメだなー』みたいな様を見ると2年の時の、奴の振られシーンを思い出して、こう、気の毒になっちまうんだよなあ。
 まあ、人生は長い。がんばれよ。
 柳から借りた落語のCDでもあいつに貸してやろうかな。笑いのツボくらいわかるようになるかもしれない。
 そんな事を思いながら、俺は校舎を後にした。
 3月最初の月曜は、気温はそれほど高くないけれど天気はよくて、俺は思わず上着を脱いで空を見上げた。
 肌に風を感じることが心地いい。
 そう思うってことは、もう春が近いってことだ。

**********

 そんな、なんてことのない一日の翌日。
 俺の教室ではちょっとした異変が起こっていた。
 が女のツレたちと、ちっせー弁当箱を広げようとしてた時。
 廊下から二人ほど他のクラスの男が入って来て、たちの前で立ち止まった。
「よぉ、、久しぶり」
 見覚えのあるそいつは、確か1年の時に同じクラスだったやつ。
「おぅ、お前らも久しぶりだなあ。な、学食でメシ食わね?」
 よそのクラスのやつが女子をメシに誘いに来るなんて、別に珍しくもないことだけど、とそのツレたちはまずこういう誘いを受けてるとこなんて見た事がない。
 俺はちょっと驚いた。
 けど、俺よりもとそのツレの方がもっと驚いてる。
 そりゃそうだろう。
 相当に動揺した感じで、『どうする? どうする?』なんてちょっと言い合いながら、結局それぞれ弁当箱を手にしたたちは、誘いに来た男達と教室を後にした。
 俺は自分の弁当にぱくつきながら、そんな後ろ姿を見送った。
 誘いに来たやつらは、見覚えのある割と賑やかなノリのいいタイプの奴らで、そして当然たちはサエないタイプばかりで。
 まるで、ホストクラブの客引きに店に連れ込まれる素人って様だなあ、なんてちょっとひどいことを想像して、我ながら笑ってしまった。

 昼休みが終る直前、食堂からあわてて戻って来たたちは、なんだかちょっと浮き足立ってる。
 一体何だったんだろうな、と俺も少々興味がないでもない。
 食堂から戻って来たは、手に何かカードのようなを持っていた。
 複雑そうな顔で手にしたものを眺めているをちらりと見つつ、俺は次の授業の教科書とノートを用意した。


 この日は俺が日直で、放課後、日誌を書いていた。
 にあんな事を言った翌日に情けないんだが、俺もペアで日直やってた女子が女友達とさっさと帰っちまいやがったから、一人で片付けてるってわけだけど。
 ふと隣を見ると、が荷物をのろのろと片付けながら、手元をじっと見ていた。ああ、昼休みに食堂から戻って来た時に手にしていたものだ。
「ラブレターでももらったか?」
 俺は興味半分、からかい半分で声をかけた。
 びくんとしたように彼女は顔をあげる。
「いやいや、そんなんじゃないよ。写真」
 ひょい、と俺にそれを差し出す。
「写真?」
 彼女が手にしていたものは確かに写真で、彼女自身が写っているもの。
「2月の弁論大会の時の。矢島くんのクラスの写真に混じって貼り出されてたんだって」
 そういえば、こいつ弁論大会に出たんだっけ。
 要領悪いから、代表にさせられちまって、これまた冴えない結果だった記憶がある。
 でも、そのスチールの中の壇上のは真剣な顔で、ちょっとうつむいたところを斜めからとらえているショットは、なかなかに写りはよかった。顎や鼻のすっきりしたライン、少しだけ開いたふっくらとしたつややかな唇。
「ふーん」
 俺は写真をに返す。
「で、矢島たちがわざわざ持って来てくれた?」
「うん、そうみたい。1年の時同じクラスだったしってことで」
「ああそっか、なるほどな。で、食堂でメシ食って盛り上がったか?」
 はため息をついて、視線をそらした。
「いやー、あんまり……。私もあの子たちも、皆1年の時矢島くんと同じクラスだったはずなんだけど、なんかこう、話題もないし。矢島くんたちは一生懸命話してくれるんだけどねえ」
 ああ、きっと盛り上がらねー合コンみたいだったんだろうなあ。
 なんだかその様子が目に浮かぶ。
「なんだよ、矢島と……あと一緒に来てたの野口だっけ? あいつら結構イケてるし女子にも人気だろ? せっかくなんだから仲良くなっときゃいいのに」
「そりゃ、そうしたいけどさ。どうしたらいいのか……。私、ぜんぜん面白いこと話せなかったし、やっぱりつまんないなーって思われたんじゃないかなー」
 またもや盛大にため息をついている彼女の背後に人影。
「よぉ、!」
 現れたのは、背の高い男。確か、元サッカー部の酒井だ。
 彼女は大げさなくらい驚いて目を丸くして振り返った。
「なあ、これ、この前の弁論大会の時の写真……」
 言いながら奴の視線はの手元に。
「あれ?」
「あ……今日の昼に、矢島くんが持って来てくれて……」
 彼女がそう言うのと、男がまた一人教室に走り込んでくるのはほぼ同時だった。
! 今日、暇だったら帰りに……」
 勢い良くやってきたのは、くだんの矢島だ。
「……なんだよ、酒井。その写真はもう渡したぜ」
 矢島はの前で酒井に言い放った。
 酒井は一瞬ムッとしたような顔をするけれど、すぐににやっと笑う。
「そっか、じゃあ、この写真、俺がもらっといていい?」
「え? はあ? ああ、別にいいけど」
 そして素っ頓狂なの返事。
 もうちょい気の利いたリアクション返せねーのか。
 少し離れたところでは、の女友達が驚いたように見守っている。
 矢島は酒井を無視したように、ぐいっとに一歩近づいた。
「今日、昼メシん時に話したじゃん、駅んとこの点心の店。クーポンあんだけど、帰りに行ってみねー?」
 やつが言うと、酒井もぐっと一歩に近づいた。
「おい、矢島。今、俺がと話してたんだろ。邪魔すんなよ」
 信じがたいことだが、どうも二人のそこそこイケてる男がを取り合ってるらしい。
 当事者のは、弁論大会の代表を押し付けられた時よりも青ざめた困った顔をしていた。
 そりゃあそうだろう。通常の会話でも気の利いたリアクションのできない奴が、こんなシチュエーションでまともな対応ができるわけがない。
 俺はふうっと息を吐いて、日誌を持ったまま立ち上がった。
「おい、
 二人の男が、ハッと俺を見た。
 二人の間を割って、俺はリーチの長い腕をのばして、日誌をに差し出した。
「日誌、俺が書いたんだからよ。職員室にはお前が届けてくれ」
 は、また驚いた顔をして俺を見る。
「えっ、でも私……」
 察しの悪いがよけいな事を言いそうになったので、俺が口パクで『バカ、いいから早く行け!』と言うと、彼女はあわてて日誌をつかんで廊下に走り出した。
「お……ジャッカルか……」
 矢島が俺を値踏みするように見つめてつぶやいた。
「なに、お前、と仲良いわけ?」
 酒井がさっきの写真を鞄のポケットにしまいながら、いかにも牽制する風に言う。
「別に。同じクラスってだけで、お前らとかわんねーよ。今日は日直同士」
 俺はそれだけ言って、奴らに気づかれないようにの机の足下に置いてあった鞄を手にした。そして数歩進むと、すれ違いざまにのツレの女たちにほいとそれを放る。これまた察しの悪いのツレたちがぽかんとしてるので、ジェスチャーで職員室の方をさしてやると、彼女たちはやっと気づいたようにの鞄を持って廊下に走り出た。
 俺はやれやれ、と大きなため息をついて廊下に出る。
 まったくのツレも察しが悪いというか、要領が悪いというか。
 1から10まで言わなきゃわかんねーのかよ。
 これ以上酒井や矢島と顔を合わせるのも面倒なので、振り返りもせずにさっさと校庭に出た。
 空を見上げると、まさに鉛色の重そうな雲。
 今日は冷える。
 昨日と違って上着を脱ぐ気にはならなかった。
 鞄の中から学校指定のマフラーを引っ張り出してくるりと巻いていると、いきなり後ろからひっぱられる。
 ぐえ、と息が詰まりそうになって振り返るとそこにはおなじみの相棒・丸井ブン太。
「よう、ジャッカル。駅の近くの点心の店、寄ってかね?」
「言っとくけど、おごらねーぞ」
「今日は桃饅のタダ券があるんだぜぃ」
 ニヒヒと笑って、桃のイラストの入ったカードを二枚ちらつかせるブン太の顔は、どうあってもその店に行くことを譲らないようだった。
「しょうがねえなあ」
 俺が言うと奴はとなりでぴょんぴょん飛び跳ねる。
 点心か。
 そういえば、矢島もそんな事言ってたな。
 何気なく思い返すと、俺は突然にふっとひらめいた。
 そうえいば、矢島と酒井、そして昼に矢島と一緒に来てた野口。
 奴らには共通点があった。1年の時に俺やと同じクラスだったってこと、そして今はあの三人はブン太と同じB組だ。
「……そうえいば、今日、矢島や酒井がウチのクラスに来てたぜ」
「ふーん」
 ブン太は興味なさそうに生返事。
「で、を取り合ってた」
? あのノリの悪そうな子?」
 これまたさして興味なさそうに相づちを打ったすぐ後に、ああ、と声を高くした。
「そういえばちょっと前、ウチのクラスの一部でブームが起きたんだよ」
ブームゥ?」
 その予期せぬ言葉に、俺は思わず声を上げてしまった。
「弁論大会の時のクラスの写真が貼り出されててさ、そこにたまたまジャッカルのクラスのやつがいくつか混じってて、その中にの写真もあったわけ。で、って結構かわいい顔してんじゃん。そういえばって前からかわいかったけど、3年になって綺麗になったよなーとか男子で言ってて、けどあいつノリ悪いしつまんねーからなーなんて話になったんだよ」
 まあ、の話題としては妥当な内容だ。
「けど、仁王がさ」
 予想外の仁王という名前の登場に俺はちょっと驚く。
の写真見ながら、ニヤニヤして言うわけ。『こういう女は早いモン勝ちじゃ。ちょいと会話のテンポは悪いけど、性格は悪くないし素直そうじゃから、自分好みに仕込める。そして、浮気もしなさそうじゃ。こういう女をがっつりモノにするのは、男としての力と魅力の見せどころじゃろ』なんてさ」
 言って、思い出したようにブン太は笑い出した。
「はっきり言って、仁王はちょっとおもしろがって言ってただけなんだけどよ、クラスの男ども、仁王が女について話すと結構真に受けっだろぃ? で、にわかに、『って、すげーいいんじゃね?』なんてブームが起こったんだよ」
 俺はジャケットのポケットに手を突っ込んで軽くため息をついた。
「なんだ、にしたら迷惑な話だな」
「あいつ美人だけどぜんっぜんモテなかったし、いんじゃね? これで誰か彼氏でもできりゃ」
「ま、そうだろうけどな」
 見上げる空は、3月だというのに雪が舞い降りてきそうだ。
 が突然にモテ出した日が雪というのは皮肉な話だが。
 そうか、仁王の気まぐれなプロデュースで、意図せずしてのモテ期が到来したというわけか。

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2009.3.8

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